特許出願

貴重な技術革新や進歩を保護するのが特許の役目です。そのため、特許は今日、経済的な観点から大変重要視されています。というのも、専門性の高いニッチ製品にしろ、日用品にしろ、そのノウハウが競合他社に使用されてしまうことがよくあるのです。発明がコピーされるのも頻繁に起こることです。それが原因で、大きな経済的損害が生じる恐れがあります。だからこそ、特許でアイデアを保護することが重要なのです。

定義:特許

特許は、技術的な発明に関する産業財産権です。公的な審査をクリアしたら、特許権者は、特許を得た発明の独占的な使用権を得ることができます。

ほとんどの国で、保護は限られた期間付与されます。例えばドイツでは20年間の期限が設けられています(特許法第16条)。

特許による保護は企業や発明者だけでなく、社会にも利益をもたらします。というのも、特許は、独占権を与える代わりに発明を公開するため、新たな技術革新や開発のインセンティブを生み出し、技術の進歩に貢献することができるからです。

特許保護:どんなものが特許の対象となるのか?

特許を取得するためには、一定の要件を満たす必要があります。具体的な例を挙げると、ドイツ(特許法第1条第1項)および欧州(EPC第52条第1項)の特許は、以下の3つの条件を満たす場合に、技術的な発明に対して付与されます。

  • 新規性:発明が既存の技術に属さないこと
  • 進歩性:発明が先行技術から十分区別できること
  • 産業上の利用可能性:対象物が農業を含む何らかの産業分野で製造または使用することができること

主に以下のようなものは保護の対象となりません。発見、科学理論、数学的方法、美的創造物、精神的活動・遊戯・事業活動のための計画・規則・プロセス、データ処理装置用のプログラム(例:プログラムコード)ならびに情報の表現(特許法第1条第3項およびEPC第52条第1項)。

特許の保護はどこで適用されるのか?

特許の保護には、いわゆる属地主義が適応されます。すなわち、特許が出願された国でのみ保護が適用されるのです。

複数の国で特許を保護する必要がある際は、それぞれの国で個別に出願するか、あるいは場所によっては欧州特許出願(欧州特許庁の管轄)のような一定の地域をまとめた出願をすることが可能です。また、国際特許出願(PCT-特許協力条約に基づく)という手段もあります。国際特許は、世界の多くの国々で保護されるというメリットがあります。

例えば、外国への出願では、ドイツ国内の発明者は優先権を享受することができます。これは、ドイツまたは他の国で最初の出願を行った後、12ヶ月以内に外国で特許出願を行うことができるというものです。この優先権は、適切な期間内に行使されなくてはなりません。ご相談がある際は、当社のスタッフが喜んでご対応いたします。

特許出願のプロセス:考案から特許取得まで

特許は、出願や審査に時間がかかるため、最初の考案プロセスから特許が成立するまでには、通常数年かかります。

当社の経験豊富な弁理士が、国内外を問わず、あらゆるプロセスにおいて、お客様を親身にサポートいたします。

特許調査

どんな特許においても、出願の際は、まず発明の新規性を確認するための広範な調査が必要です。

  • 最先端技術/新規性に関する調査:発明の新規性を否定する可能性のある情報を調査します。
  • 無効性に関する調査::競合他社の特許を攻撃する可能性のある情報や文書について調査します。
  • 監視調査:自らが取得した特許に関連する第三者の出願がないかどうかを定期的に調査・審査します。

もう一つのオプションとして、通称FTO調査(自由に事業を行うための調査)があります。これは、自社の製品が他社の財産権を侵害することなく、該当国で使用可能かどうかを確認するためものです。したがって、FTO調査は、特許出願とは別に行われます。

特許の出願

ドイツ国内の場合、特許はドイツ特許商標庁(DPMA)に出願しなければなりません(特許法第34条第1項)。それに対し、欧州特許の場合は、欧州特許庁に出願します(EPC第75条第1項)。

出願の際には、以下の項目が含まれた書類を提出する必要があります。

  • 出願者の氏名
  • 発明を簡潔かつ正確に記載した特許付与の申請書
  • 特許として保護されるべきものを指定する1つまたは複数の特許請求範囲
  • 発明の詳細説明
  • 特許請求範囲または発明詳細の参考情報となる図面

各出願には、1つの特許のみ、または発明の一群を含めることができます。発明の一群とは、互いに関連し合う複数の発明で、1つの発明アイデアとしてみなすことができるものを指します。

特許の審査・付与

まず、出願の予備審査が行われます。予備審査では、出願内容が特許の形式的要件を満たしているか、あるいは特許付与に際し明確な弊害となる要素がないかどうかが審査されます。

その後、正式な審査が始まります。例えばドイツ特許商標庁(DPMA)の場合、出願日から7年以内に審査請求を提出する必要があります。特許出願は18か月後に公開されます。この期限は、出願者がその間に発明をさらに発展させたり、また場合によっては出願を取り下げたりできるようにするために設けられています。

その後、当該官庁による審査をクリアすれば、特許が付与されます。出願内容が要件を満たしていなければ、審査に落ちる可能性があるため、専門的な弁理士のもとで出願資料を作成することが極めて重要です。

異議申立手続きおよび無効審判

特許付与後の異議申立手続きでは、特許付与に反対する理由があるかどうかを審査します。反対する理由が見つかった場合、特許は限定的に保持されるか、あるいは取り消されることがあります。原則として、第三者なら誰でも異議を申し立てることができます。

しかし、これには厳格な期限が設けられています。例えばドイツ国内の特許や欧州特許の場合、異議の申し立ては、特許権がDPMAの特許公報または欧州特許公報に掲載されてから9か月以内に行わなければなりません。

この分野で長年の経験を持つティーレマン(Thielemann)氏、 バルテルス(Bartels)氏 、ゲルバウレット(Gerbaulet)氏は、国内外の多くのクライアントの代理人として異議申立手続や無効審判手続を行ってきました。RGTHでは、この分野において、第三者の特許に対する異議申し立ておよび第三者からの異議申し立てに対する防御の両方をサポートしております。どうぞお気軽にお問い合わせください。

特許出願に関する主な質問事項

特許出願にかかる費用は?

特許出願にかかる費用は、出願の範囲と保護を求める国の数によって異なります。そのため、一概に費用を提示することはできません。しかし、大抵の場合、最初の話し合いの後、あるいは技術文書を閲覧後、大まかに費用を見積ることは可能です。どうぞお気軽にお問い合わせください。

特許権が侵害された場合、どう対処すべきか?

第三者による特許権侵害の疑いがある場合、特許権者は、様々な方法で特許権を行使することができます。地方裁判所での特許侵害訴訟では、差止請求、損害賠償、破棄請求を行うことができます。法的手続きには長い時間がかかることが多いので、暫定的な法的保護における仮の差止命令で救済することができます。

特許は売却することが可能か?

特許権者は、特許権全体を売却することが可能です。また、使用を許可するためのライセンス契約を行うこともできます。いずれの場合も、契約交渉、特にコスト面における交渉は難航することが多いのが現状です。そのため、当社の経験豊富な弁理士は、最終的な売却・ライセンス契約までの全プロセスを手厚くサポートいたします。

特許分野における当社のサービス内容

当社では、専門的な弁理士集団として、国内外を問わず、あらゆる分野での商業的な権利保護をサポートしています。

海外での特許出願において、RGTHでは、最初のステップから優秀な母国語話者の常駐スタッフがご対応します。適切な戦略を立て、作成プロセスとポートフォリオ全体を支援いたします。RGTHは、現地の経験豊富な担当弁護士と密な連携を図ります。

当社の弁理士は、高い専門性に加え、各分野における長年の経験を有しています。また、幅広いスキルにより、部門横断的な課題も効率的かつ適格に解決することができます。

  • ドイツ国内、欧州、国際特許出願(例:PCT出願)
  • ドイツ特許商標庁(DPMA異議申し立て)および欧州特許庁(EPO異議申し立て)における異議申し立て手続きの代理
  • 欧州特許庁(EPO上訴)およびドイツ特許商標庁(DPMA)における上訴手続きの代理人業務
  • 連邦特許裁判所(BPatG)および連邦最高裁判所(BGH)における上訴手続きおよび無効審判の代理人業務
  • ドイツ国内の通常裁判所における侵害訴訟の遂行
  • 特許調査
  • 特許のライセンス契約
  • 職務発明におけるコンサルティングおよび代理人業務
  • M&Aに際しての特許法に基づいたデューデリジェンスのコンサルティング
  • 特許戦略の策定
  • 特許管理におけるコンサルティング
  • 特許権侵害の鑑定
  • FTO鑑定
Cookie Consent with Real Cookie Banner